仕事をする上で「聞く技術」はどんな業種や職位の人でも必要となるスキルです。
新入社員であれば仕事を先輩社員から教わる際に、管理職であれば部下の不平不満に耳を傾ける際に必要となるでしょう。
しかし相手が人間である以上は必ずしもこちらが聞きたい内容を話してくれるとは限らないため、「聞く技術」よりも更に高度な手段である、相手から「聞き出す技術」が重要になります。
そこで今回は「相手から話を聞き出すテクニック」についてご紹介します。
仕事に限らず、普段の生活の中で相手から話を聞き出すことに苦手意識を持たれている方はぜひご覧ください。
事前に聞き出す内容を整理する
相手から話を聞き出すテクニック①は、事前に聞き出す内容を整理することです。
具体的には以下の流れで有意義な話を聞き出すことができます。
①相手から聞き出す目的を明確にする(質問の方向性にブレが無くなる)
②重点的に質問するポイントを絞る(①の目的に沿って3~5個程度)
③質問する詳細内容を決める(②の質問するポイントが明確になるように)
例えばある製品において次期型開発をするための顧客ニーズを調査する場合、聞き出す内容を整理すると以下のようになります。
①顧客ニーズを調査する
②価格、機能、納期
③価格がいくらなら購入候補に入るか
③どのような機能が欲しいか(現状で困っていることは何か)
③納期はいつまで待てるか
実際にはもっと詳細に準備すべきと思いますが、上記の流れで準備しておくことで目的に沿った有意義な話を聞き出すことが可能になります。
誠実に対応する
相手から話を聞き出すテクニック②は、誠実に対応することです。
相手は人間ですから、あなたの対応次第で心が動かされ色々と話をしてくれやすくなるからです。
その際、言葉遣いについては相手のタイプに応じて使い分けることも有効です。
例えば他人に感謝されることに喜びを感じるタイプなら、相手が話してくれることでいかに他人から感謝されるかをアピールすれば良いし、自尊心が強いタイプなら、相手がその話題に精通していることがいかに凄いかをアピールすれば良いでしょう。
そのためには、聞き出す相手がどのタイプかを知るために普段から相手の性格や言動をよく観察しておくと尚良いでしょう。
相手に同意/同調する
相手から話を聞き出すテクニック③は、相手に同意/同調することです。
人は相手が自分に同意/同調してくれる(好意的である)場合、自分も心を開いて色々と話してくれるようになります。
その際、「なるほど、確かにそうですよね」「すごいですね」等の言葉だけでなく、大げさにならない範囲で表情豊かにリアクションを取ってみるのも効果的です。
こちらの返答が好意的で表情豊かなリアクションを取れば、相手は安心感や親近感により更に話をしてくれるでしょう。
相手との共通点をアピールする
相手から話を聞き出すテクニック④は、相手との共通点をアピールすることです。
人は相手と自分に共通点があればあるほど心を開きやすくなると言われています。
例えば相手から仕事の失敗談を聞き出したい場合、「実は私は以前仕事で〇〇を失敗してしまって~」とまずは自分の失敗談(共通点)を話すと、相手は安心して自分の失敗談を話してくれるようになります。
失敗談のような話しにくいことを相手から聞き出したいのであれば、まずは共通点として自分から話をするようにしましょう。
場所は相手のホーム(落ち着く所)を選ぶ
相手から話を聞き出すテクニック⑤は、会話する場所は相手のホーム(落ち着く所)を選ぶことです。
テネシー大学の実験によると、「自分の部屋に相手を招待して討論した場合(ホーム)」と「相手の部屋に自分が招待されて討論した場合(アウェイ)」で発言量がどう変わるかを調査した結果、ホームの方が明らかに発言量が増えることが分かったそうです。
相手から話を聞き出したい場合は、相手のホーム(落ち着く所)を選ぶようにしましょう。
以上の方法を駆使し、あなたが相手から上手に話を聞き出すことができるために、少しでも貢献できれば幸いです。